合同会社 CitrusApp(シトラス・アップ)は、経営コンサルティングオフィス 株式会社MCO Lotus様と協業し、飲食店を運営される企業様向けに、店舗の日報から経営分析(FLRP 予実管理)までを 1 つで完結できるSaaS「FLRP 予実管理日報マネージャー」を開発いたしました。
株式会社MCO Lotus 代表取締役の関野様の監修の元、長年 Excel で属人的に運用されてきた予実管理の計算ロジックをWebアプリ化し効率化した事例です。
▲ ダッシュボード:当月売上・FL 比率・営業利益・損益分岐点などを一望
FLRP 予実管理日報マネージャーとは?
飲食店の「数字」を、現場の日報から経営分析まで一気通貫で
飲食店の経営では、売上だけでなく F(原価)・L(人件費)・R(家賃)・P(販促費) といった主要コストを、日々の実績と目標(予算)で管理することが利益を左右します。しかし多くの現場では、この予実管理が複雑な Excel と担当者の頭の中に依存し、集計に手間がかかったり、店舗が増えるほど属人化してしまうという課題を抱えています。
本サービスは、現場スタッフが入力する 1 日 1 枚の日報を起点に、売上・決済・仕入・人件費・現金出納までを記録し、そのデータから PL(損益)や FLRP 分析、損益分岐点、前年比、販促効果までを自動で算出します。「入力は現場でかんたんに、分析は経営者に深く」を両立させた、飲食店特化型の経営管理ツールです。
特徴
- 日報 1 画面で完結 — 売上・決済内訳・現金出納・仕入・勤怠を、その日のうちにまとめて入力
- 入力するだけで自動計算 — 総売上(税込)・客単価・人時売上・深夜割増・社員残業代などを自動算出
- FLRP 予実管理 — F/L/R/P の各比率を「実績 vs 予算 vs 業界目安」で可視化
- マルチテナント対応 — 企業 → 店舗 → ユーザーの階層で、複数店舗・複数企業を安全に分離
- 権限管理(5 段階) — 運営管理者/企業責任者/エリアマネージャー/店長/スタッフで見える範囲を制御
- CSV 出力・帳票印刷 — Excel での二次利用や、日報の PDF 出力にも対応
- レスポンシブ対応 — PC でも店舗のスマホでも入力可能
主な機能
日次入力(現場向け)
- 本日の日報(売上・決済内訳・現金/小口・仕入・勤怠を 1 画面で入力)
- 営業時間帯(ランチ/アイドル/ディナー等)ごとの売上・客数・新規/リピート組数の記録
- 勤怠は「出勤〜退勤」を入れるだけで、各時間帯へ自動按分・深夜割増を自動計算
- 下書き自動保存・前日コピー・日報の印刷/PDF 出力
▲ 人件費・勤怠:出退勤から時間帯別の労働時間・人件費を自動計算(22 時以降は深夜割増 1.25 倍)
経営管理・分析(経営者向け)
- ダッシュボード(当月売上・累計客数・FL 比率・営業利益・損益分岐点・決済構成)
- 売上一覧(時間帯別・日別の売上推移)
- 仕入・棚卸(原価率・当月仕入率の検算)
- 現金出納帳/販促費(媒体別の効果測定)
- PL・FLRP 分析(損益計算・主要コスト比率・売上ペース/前年比・販促効果・客層分析)
▲ PL・FLRP 分析:予算 vs 実績ペースの損益計算と、F/L/R/P の予実対比
▲ 売上一覧:時間帯別・日別に売上をひと目で
設定・管理
- 店舗ごとの営業時間帯・スタッフ・決済手段・仕入業者・販促媒体などのマスタ管理
- 企業の共通設定(店舗追加・ユーザー招待・企業情報)
- メール招待によるメンバー登録、メール+パスワード認証
▲ 設定:営業時間帯・スタッフ・各種マスタを店舗単位で管理
抱えていた課題 / 依頼の背景
ご相談をいただいた企業様は、複数の飲食店を運営される中で、店舗ごとの予実管理を長年 Excel で行っていました。売上・原価・人件費・家賃・販促費といった数字を日々追いかけ、目標との差異を見ながら経営判断を下す——その仕組み自体は非常に良く作り込まれていた一方で、次のような限界を感じられていました。
- 属人化:複雑な計算式が入った Excel は、作成者以外がメンテナンスしづらい
- 多店舗化への対応:店舗が増えるほどファイルが分散し、全社での比較・集計が煩雑
- 現場と経営の分断:現場が入力しやすい形と、経営が分析したい形が Excel 上で両立しづらい
- リアルタイム性:月末にまとめて集計するため、月中の意思決定に間に合わない
「使い慣れた Excel の管理ロジックはそのまま活かしたい。でも、現場が毎日かんたんに入力でき、経営者はいつでも最新の数字を見られるようにしたい」。この切実なご要望が、専用 SaaS 化のきっかけでした。
依頼から開発完了までの流れ
限られた予算とスピード感を最優先に、透明性の高いプロセスで開発を進めました。
- 現行 Excel の読み解き — 既存の予実管理シートを詳細にヒアリングし、数字の定義や計算ロジック(FL 比率、損益分岐点、深夜割増、社員残業の扱いなど)を一つひとつ言語化しました。
- スコープの提案・決定 — 「これさえあれば日々の運用が回る」最小構成をこちらから提案し、そこに本当に必要な機能を足していく形で、予算と機能の最適なバランスを一緒に探りました。
- 生成 AI を活用したスピード開発 — 生成 AI(AI コーディング)を開発プロセスに組み込み、設計・実装・テストを高速に反復。短期間で動く本番環境を用意しました。
- 実データで検証しながら改善 — 早い段階で実際の店舗データを入れて動かし、「この数字はどう計算しているのか」を現場・経営の目線で確認。ズレや分かりにくさをその場で修正していきました。
- リリースと継続改善 — 本番リリース後も、現場からのフィードバック(入力のしやすさ、表示の分かりやすさ、権限の細かな要望など)を継続的に反映し、日々ブラッシュアップしています。
私たちは単なる「開発会社」ではなく、事業の成功をともに目指す「パートナー」として、常に先回りのコミュニケーションを心がけました。
今回のアプリ開発のポイント
ポイント 1:現場の Excel と“経営者の頭の中”を、計算ロジックごと再現する
予実管理ツールで最も重要なのは、見た目の綺麗さではなく 「数字が現場の実態と完全に一致していること」 です。少しでも計算が実態とズレると、経営判断そのものを誤らせてしまいます。
そこで私たちは、既存 Excel の一つひとつのセルの意味・計算式・例外処理までを丁寧に読み解き、アプリのロジックとして忠実に再現しました。例えば「22 時以降の勤務は人件費 1.25 倍」「社員は月給制のため通常労働は固定、標準労働を超えた残業分だけ時給計上」「家賃は日割り×経過日数で R 比率に反映」——こうした現場ならではのルールを、そのままシステムに落とし込んでいます。「Excel を、そのまま賢く動く Web アプリにする」。これが今回の設計思想の核でした。
ポイント 2:生成 AI × 反復開発で、「作って終わり」ではなく「使いながら育てる」
新しい業務ツールは、実際に現場で使ってみて初めて「本当に必要なもの」が見えてきます。だからこそ私たちは、生成 AI(AI コーディング)を活用して開発サイクルを高速化し、短期間で本番投入 → 現場で使ってもらう → フィードバックを即反映というループを何度も回しました。
「新規スタッフを追加したときに名前欄が並び替わって入力しづらい」「この画面に一瞬だけ別の数字が出る」といった、実際に触ってみないと分からない細かな使い勝手も、その都度スピーディに改善。生成 AI を単なる自動化ではなく、事業スピードを落とさずに品質を上げ続けるための手段として活用したことが、短期間での実用化につながりました。
ポイント 3:飲食店の“数字の型”(FLRP)に特化して、迷わず使える設計に
汎用の会計ソフトや表計算では、飲食店の経営者が本当に見たい指標(FL 比率、人時売上、原価率、販促費対効果など)にたどり着くまでに手間がかかります。
本サービスは、飲食業の勘所である FLRP(F=原価・L=人件費・R=家賃・P=販促) を軸に画面と分析を設計。ダッシュボードを開けば「目標に対して今どうか」「利益は出ているか」「損益分岐点まであといくらか」が一目で分かり、現場は日報を入れるだけ、経営者は数字を眺めるだけ、という状態を目指しました。業界特化だからこそ実現できる「迷わなさ」が、日々の運用定着につながっています。
Citrus App 開発責任者からのコメント
飲食店の予実管理は、一見シンプルに見えて、現場の運用ルールや例外処理が数多く詰まった“奥の深い”領域でした。今回のプロジェクトでは、お客様が長年磨き込んでこられた Excel の管理ノウハウを、いかに忠実に、かつ現場が使いやすい形で再現するかに最もこだわりました。
生成 AI を開発に取り入れることで、実装とテストのスピードは飛躍的に上がりましたが、最後に効いたのは「どの数字を、なぜ、どう見せるか」という業務理解の部分です。お客様と対話しながら数字の定義を一つずつ揃えていったことが、"現場と経営の両方が信頼できるツール"につながったと感じています。今後も、実際の運用で見えてくる改善点を継続的に反映し、育て続けていきます。
使用技術
- フロントエンド/バックエンド:Next.js(App Router)+ TypeScript
- データベース:Neon(サーバーレス PostgreSQL)
- インフラ:Vercel
- メール配信:Resend
- 開発手法:生成 AI(AI コーディング)を活用した高速・反復開発
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弊社では、飲食・建設・不動産をはじめとする各業界向けに、Excel 業務や属人化した管理をそのまま専用アプリ化する「専用 SaaS 開発」を数多く手がけています。AI駆動開発により、低コスト・短期間でのリリースを実現します。
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