今日は、『覚悟の磨き方』という本について、読書感想を書いていきたいと思います。
これはたまたま、僕がCOTEN RADIOの吉田松陰編を聞いた直後におすすめされるという、ものすごくタイムリーなタイミングで出会った本です。
こういうことは、本を読んでいるとすごくよくあります。
たまたま今読んでいる本の中に、その前に読んだ本の出来事が書いてあったり、ある本を読んだ直後に、その本に関係する別の本を紹介されたりする。
そういう運命的な偶然がよく起きるので、本を読むことはやめられないなと思います。(常に「なんて運命的なんだ!」と感動します。)
ということで、今日はこの『覚悟の磨き方』について書いていきたいと思います。
この本は、吉田松陰の言葉や思想を、かなり簡単にわかりやすく紹介してくれている本です。
なので、吉田松陰に詳しくない人でも、かなり読みやすいと思います。
吉田松陰は、めちゃくちゃベンチャーシップの人
この本で改めて思ったのは、吉田松陰はめちゃくちゃベンチャーシップの人だなということです。
COTEN RADIOで吉田松陰の話を聞いたときにも思いましたが、この人は本当に、陽明学という学問をめちゃくちゃ信仰していた人なんだなと感じます。
陽明学の細かい説明はここではしませんが、ざっくり言うと、知識だけではなく、実践を重視する学問です。
吉田松陰からは、その「まずやってみる」という姿勢がものすごく伝わってきます。
もちろん、吉田松陰はただの行動派というだけではありません。
座学による勉強もめちゃめちゃしている人で、ものすごい読書家でもあります。
でも、それ以上に「まずやってみる」という気持ちがあまりにも強い。
黒船を見たら、黒船に乗ってみたいと思って、本当に行ってしまう。
しかも、それが当時の江戸幕府にとって犯罪行為であることは理解しているわけです。
自分が罪を償わなければいけないことも理解している。
それでも、やってしまう。
「かくすれば かくなるものと 知りながら
やむにやまれぬ 大和魂」
めちゃくちゃかっこいい!
これは本当に震えます。
わかっている。
それをやったら罪になることもわかっている。
その結果どうなるかも、わかっている。
でも、それでもやらずにはいられない。
この「やむにやまれぬ」という感じが、吉田松陰のすごさなんだろうなと思います。
夢は語り、行動で示す
この本の中で特に面白かったのが、「夢を引き継ぐもの」という章でした。
そこでは、人と話すときは、その会話の端っこでもいいから、自分が実現させたいことについて語ることが大事だと書かれていました。
また、何か問題が起きたり、誰かが事件に巻き込まれたりしたときに、口を出すだけで済ませるのではなく、その解決のために積極的に動くこと。
そうすれば、仮に自分の実現させたいことが、自分自身では断念せざるを得ない状況になったとしても、誰かがその夢を受け継いでくれるかもしれない。
つまり、行動で示せということです。
そして、必ず自分が実現させたい夢について語ること。
さらに、それに向かって積極的に動くこと。
これはすごくいいなと思いました。
なんとなく、ガンジーが言っていた「言葉ではなく行動で示さなければいけない」という話にもつながるような感じがします。
結局、人は言葉だけでは動かない。
でも、その人が本当に行動していたら、その姿を見た誰かが受け継いでくれるかもしれない。
吉田松陰のすごさは、まさにそこにあるんだと思います。
恥ずかしいのは、挑戦して失敗することではない
他にも、この本にはベンチャーシップあふれる言葉がたくさん出てきます。
たとえば、よくある話ですが、やると言ってできないことで恥をかくよりも、やると言ってうまくいかなかったら恥ずかしいからその前にやめておくことの方が恥ずかしい、というような話です。
これは本当にその通りだと思います。
また、こういう言葉もありました。
凡人は、周りから浮いていることを恥じる。
賢人は、細かいことを気にする自分を恥じる。
凡人は、自分の評価が低いことを恥じる。
賢人は、自分の才能が咲ききれていないことを恥じる。
こういうの、僕はすごく好きです。
自分が周りからどう見られているかではなく、自分が本当にやるべきことをやれているか。
自分の才能をちゃんと使い切れているか。
そこに意識を向けろということですよね。
自分との約束を破らない
「迷わない生き方」という話も、かなり刺さりました。
こーゆー話、大好きです。
「最もつまらないと思うのは、人との約束を破る人ではなく、自分との約束を破る人です。」
これはめちゃめちゃわかります!
僕も本当にそう思います。
人との約束を破るのももちろんよくないですが、
自分との約束を破っては、生きていけない、、、!
さらに、こういう言葉もありました。
「法を破ったら罪を償いますが、自分の美学を破ってしまったら、一体誰に向かって償いますか?」
これはめちゃくちゃ震えました。
本当にいいことを言うなと思います。
法律を破ったなら、罰を受けたり、罪を償ったりすることができる。
でも、自分の美学を破ってしまったとき、償う方法がない。
本当にいいことを言います。
やる勇気よりも、任せる勇気
これもめちゃくちゃわかります。そして難しい!
「真面目な人なんて、いくらでもいる。
しかし、大事な場面で大胆なことを実行できる人はほとんどいない。」
そういう人の細かい欠点をいちいち挙げているようでは、優れた人材を得ることなんてできない。
これは本当にそうだなと思いました。
誰かに仕事を依頼すると、細かいところはどうしても気になります。
なんでそういう言い方をするんだろう。
あそこをもっと早くメール返信したらいいのに。
なんでそこを先に段取りしておかなかったんだろう。
誰でもそんなことを気にしてしまうことはあると思います。
でも、普通の人ができないような大きな行動ができる人を採用したいなら、そういう細かいことばかりを見ていてはいけない。と松陰は言います。
大きな行動ができる人を信じて、任せる勇気が必要なんだと。
任せる勇気。
これは本当に大事ですね。
当然、任せないと、人も成長しないし、組織は大きくならない。
全部自分でやらなければいけなくなるからです。
僕は昔、当時の上司に仕事を丸投げで任せてもらいました。おかげで自由にやり、自由に失敗し、最後にはその上司にボコボコに詰められ、そしてトコトン徹夜で手伝ってくれました。
そうやって成長させてもらったからこそ今、一人で曲がりなりにも独立し会社を運営できています。本当に感謝しています。今思うと松蔭のようなボスでしたね。
僕も、これから同じことをやっていかなければ。
リーダーは、最後まで奇跡を信じる
リーダー論もすごいです。
リーダーは、どんなに追い詰められたときでも、その追い詰められたギリギリのところから、いつでも起死回生を図れるはずだと信じている。
なにそれ、、、めっちゃかっこいい!
確かに、それを信じていなければチャレンジできない。
逆に、それを信じていたら、どんな無謀なことだってできてしまう。
なるほど、、、僕は結構チャレンジしてきたつもりだったけど、全くたいしたチャレンジはできていなかったのかもしれない、、、。
でも、振り返ってみると、苦境・逆境は色々あったけど、なんとかならなかったことは意外とないんですよね。
もちろん、めちゃめちゃ大変なことはありました。
でも、結果的には全然なんとかなっている。
喉元過ぎたらどれも大したことはない。
そう思うと、、、もっと攻めてもいいのかもしれないと思いました。
リーダーの仕事は、現場作業ではなく未来を変えること
リーダー論で、もう一つ面白かった話があります。
「リーダーもみんなと一緒に手を汚してほしい」
「リーダーも現場に細かく指示を出してほしい」
そういう声を耳にすることもあるけれど、リーダーは本来、そういう仕事をするべきではない、という話です。
なぜなら、リーダーには未来を変えるという大きな責任があるからです。
これは本当にその通りだと思います。
リーダーは、大きな戦略を練って、未来を変えるための行動をしなければいけない。
だから、細かいことは任せてしまった方がいい。
でも、リーダー自身も、みんなの気持ちを考えたり、目先の作業をすることで満足感を得たくなったりします。
手を動かすと、仕事をしている感じがします。
現場に入ると、役に立っている感じもします。
でも、それが本当にリーダーの仕事なのかというと、断じて違います。
リーダーには、未来を変える責任がある。
これは本当に勉強になります。
使える部下がいない、という勘違い
さらに、部下の話。
「使える部下がいない」というのは、勘違い。
才能のある部下がいないのではなく、部下の才能を引き出せる人物が、まだこの場にいないだけだということを忘れてはいけない。
これは本当にその通りですよね。
人の才能は、最初からわかりやすく見えるものではないのかもしれません。
その人の才能を見つける人がいるか。
その人が力を出せる環境をつくれる人がいるか。
そこが大事なんだと思います。
「使える人がいない」と言う前に、自分はその人の才能を引き出せているのか。
そう考えないといけないですね。
大物を手に入れたいなら、目先のものを追わない
短期で求めない、という話もありました。
大物を手に入れたいなら、目先のものを追いかけるんじゃない。と。
目先の成果を追いたくなる気持ちはあります。
すぐに結果がほしいし、すぐに形にしたい。
でも、大きなものを手に入れたいなら、短期で考えすぎてはいけない。
これは仕事でも、読書でも、人材育成でも、自分の成長も、すべて同じだと思います。
とはいえ、わかるとできるが違うっていうのも、その通りで、難しい、、、!
読書は、頭を空っぽにして本の世界に飛び込むこと
この本で、読書の心得について書かれていた部分も、かなり刺さりました。
早く効果を上げたい気持ちはわかる。
でも、本を読むときは、頭の中から「たぶんこういうことだろう」という推測を捨て去った方がいい。
これは、『遅読のすすめ』でも言っていたこととかなり近いと思いました。
フランダースの犬は時間をかけてみたから感動した、と。
論語を2年間かけて読んだことで理解が深まった、と。
「頭の中を空っぽにして、本の世界に飛び込む感じです。」と松陰は言います。
著者の心を、体全体で受け止める。
急いで理解しようとしない。
自分の中にある先入観で読まない。
これは本当に、『遅読のすすめ』とまったく同じことを言っているようで面白かったです。
遅読のすすめでも、「解釈を加えず作品そのものを味わうこと」と書いてます。
また、オードリータンも「私はこう思考する」で、
「最初から最後まで集中して読むことが大事。読みながら内容について判断したり、頭の中で自分の観点を整理したりしてはいけない」
と言っていました。
でも、それってすごく難しい、、、
僕は読んでる途中ですぐに「なるほど、こういうことか!」とまだ序盤なのに決めつけて、しかもそれをみんなに語ったりし始めます。。これは良くなかったのか、、汗
もっと、じっくり、頭を空っぽにしてぜんぶ読むようにしよう。。
吉田松陰というと、前述の通り、陽明学に従ってとにかく行動する人、無謀なチャレンジをする人、という印象があります。
でも、ちゃんと本を読んでいる。
そして、本の力をものすごく信じている。
そこがすごいところだと思います。
本は、読むだけではなく真似してみるもの
この本には、こんなことも書かれていました。
「どんな本でも、本を開いてみれば、その瞬間に人生が変わるかもしれない。」
「でも、読む人はあまりいない。
読んだとしても、ほとんどの人は本に書かれている教えを真似しようとしない。」
これも面白いですよね。
一つでもいいから、一度真似してみれば、驚くことだらけだと。
とにかく真似して試してみれば間違いない。
でも確かにそうですよね。
なぜ、先人の知恵を借りないのかという話です。
我流でやるべきではない、と。
「過去のやり方なんてどうでもいいですか。
独自の考えで、行けるところまで行きますか。
先人のたどった道筋を参考にしないなんて、どれだけ遠回りをする気ですか。」
いやーーー本当にそうですよね。
だからこそ、本を読む価値がある。
そして、本に書かれていることを、そのままやってみることが大事なんだと思います。
読書は、知識を得るためだけのものではない。
先人の知恵を借りて、自分の人生で実験してみるためのものなんだと思います。
命の使いどころを間違えない
死して不朽の見込みあらば、いつでも死ぬべし。
生きて大業の見込みあらば、いつでも生くべし。
命の使うべきところで、命を使う。
か、かっこいい。。
ただ長く生きればいいというわけではない。
ただ死を恐れなければいいというわけでもない。
死ぬことで不朽のものが残るなら、死ぬべきときもある。
生きることで大きなことを成し遂げられるなら、生きるべきときもある。
つまり、大事なのは生きるか死ぬかそのものではなく、何のために命を使うのかということなんだと思います。
このあたりの感覚が、吉田松陰らしいなと思います。
「大和魂」という言葉のかっこよさ
この歌も好きです。
「歳月は弱いとともに廃るれど、
崩れぬものは大和魂。」
この歌も、めちゃめちゃ震えますね。
なんでこんなにかっこいいんでしょう、、、!
ここで言う「大和魂」という言葉には、たぶんいろいろな意味が入っていると思います。
志。
信念。
男気。
武士とはこうあるべきだ、という美学。
自分はこう生きるのだ、という覚悟。
そういういろいろな精神性が込められている感じがします。
それを一言で「大和魂」と歌っているところが、めちゃくちゃいいなと思います。
単なる根性論ではなく、自分の中にある崩れないもの。
歳月が経っても、弱いものが廃れていっても、それでも崩れない精神。
それを「大和魂」と言っている感じがします。
ペリーと吉田松陰の対比も面白い
この間、COTEN RADIOのペリー編の感想を書きました。
ペリー編では、ペリーがめちゃめちゃ行動する人であり、ひたすら準備してきた人であることに感動しました。
仕事というのは、ここまで準備するものなのか。
そう思うくらい、ペリーは徹底的に準備していた人でした。
そして、そのペリーが黒船で日本にやってくる。
その黒船に影響された吉田松陰が、今度は行動を起こしていく。
このドラマが面白いですね。
ペリーも行動の人。
吉田松陰も行動の人。
ただ、ペリーは徹底的な準備と計画によって歴史を動かした人で、吉田松陰は、黒船を見て、やむにやまれぬ気持ちで行動してしまう人。
この対比がすごく面白いなと思います。
歴史の中で、行動する人と行動する人が出会って、そこからまた別の行動が生まれていく。
そう考えると、歴史は本当に面白いです。
まとめ:吉田松陰は、読書するベンチャーリーダーだった
まとめると、吉田松陰の思想は、僕にはベンチャーシップそのもののように感じました。
吉田松陰は、ベンチャーのリーダーだと思います。
まずやってみる。
夢を語る。
行動で示す。
自分の美学を破らない。
人を信じる。
任せる。
細かい欠点より、大きな行動力を見る。
リーダーは未来を変えることに責任を持つ。
読書を大事にする。
そして、読んだことを実践する。
これはもう、そのままやればいいという感じがします。
人に任せる気持ち。
人を信じる心。
読書の重要性。
実践の重要性。
これらが全部つながっています。
吉田松陰というと、無謀に行動する人という印象もあります。
でも、実際には、ものすごく本を読み、先人の知恵を大事にし、そのうえで実践する人だったのだと思います。
だからこそ、ただの行動派ではない。
読書する行動派。
学び続ける実践者。
夢を語り、人に託すリーダー。
そういう人だったのだと思います。
『覚悟の磨き方』は、かなり読みやすい本ですが、書かれていることはすごく深いです。
吉田松陰の言葉は、現代の仕事や経営、リーダーシップにもそのまま通じるものが多いと感じました。
特に、ベンチャーや小さな組織で何かに挑戦している人には、かなり刺さる内容だと思います。
僕自身も、もっと攻めてもいいのかもしれない。
もっと任せてもいいのかもしれない。
もっと本を読んで、そこに書かれていることを真似して、実践してみてもいいのかもしれない。
そんなことを感じた一冊でした。
